生食メニューについて(その1)

「本来加熱調理した食事をとる習慣を犬は持っていない」という考えから、生食を勧めるオーストラリアの獣医師がいます。世界的に広がりつつあるこの理論には参考になる部分が多く、実際には100%生食という食生活が難しい場合でも、可能な範囲でバランスの取れた自然食材を与えることが健康を維持していく上でプラスになるのではないでしょうか。
ここではそういった理論のご紹介を通して適正な食事のメニューについて考えてみたいと思います。

なお、ここに紹介されたことを実践なさる場合は、何よりもまず愛犬の健康を確認し、十分な勉強をしてからご自分のリスクにおいて行っていただくようくれぐれもお願いします。

ドライフードを考える

従来総合栄養食として売られている多くのドライフードは、それだけでバランスが取れているので他のものを与えない方がよいと言われていました。
しかし熱処理をされた加工食品であるドライフードでは原材料が不明確であること、そして
加工食品ではどうしても得られない栄養素があるということで、サプリメントや新鮮な肉や野菜を加えることの価値が見直されてきています。
まずドライフードを選ぶには安価なものを避け、防腐剤や酸化防止剤、そして人工香料および合成着色料などの添加物が入っていない良質なものを選ぶこと、そしてそれだけでは足りない栄養素を上手にバランスよく取り入れることが大切です。

大切な栄養素

犬に必要な三大栄養素は糖質、脂質、タンパク質です。それにミネラルとビタミンの調整素が体のバランスを整えていくために大切な働きをしています。

糖質には果物や蜂蜜などのすぐに吸収活用される単糖類と牛乳などの酵素の量によっては吸収されにくい二糖類 、そして穀類やジャガイモなどから合成される多糖類があります。

脂肪酸とリン脂質、そしてコレステロールの3つに分けられる脂質には、動物性脂肪と植物性脂肪がありそれぞれの長所と短所があります。脂肪酸にはさらに飽和脂肪酸と犬の体内では作ることの出来ない必須脂肪酸を含む不飽和脂肪酸があります。
この必須脂肪酸が特に加工されたペットフードには不足しているもので 、欠乏すると皮膚病を引き起こし、さらに成長阻害、老化促進などの原因になると言われています。

糖質

50%以上のエネルギーを糖質でまかなっている人間とは異なり、十分なタンパク質と脂質を与えられている犬には改めて糖質を与える必要が無いそうで。そのため糖質を多く生み出す穀類が含まれているペットフードを与えている場合には高血糖になりやすいので注意する必要があります。

本来は肉食の動物である犬が消化吸収しやすいよう、出来るだけ細かくした生野菜を食べさせることで良質な糖質を適度に与えることができるそうです。

必須脂肪酸
必須脂肪酸にはオメガ6(リノール酸)とオメガ3(アルファ・リノレン酸)があります。
オメガ6を多く含む野菜オイルは紅花油、ひまわり油、大豆油、コーンオイルです。
オメガ6が不足すると皮膚病、繁殖および成長障害を引き起こすと言われています。

オメガ3を多く含むのは魚類、それから菜種油、マッシュルーム、ほうれん草、バナナ、大根などです。
本来肉食性の動物は獲物の内臓などから接種しているオメガ3ですが、この必須脂肪酸の不足は神経系と視覚の障害を引き起こし、子犬の性格形成にも影響を与えると言われています。

また必須脂肪酸の欠乏がアレルギー性皮膚疾患や関節炎などの原因になっているという説もあり、ドライフードだけを与えられている犬には注意が必要です。

なおこのオメガ6とオメガ3という必須脂肪酸に関してはそのバランスがもっとも大事で、だいたい5:1から10:1が良いと言われています。バランス良くオメガ6とオメガ3を含んでいる代表は菜種油と大豆油などですが、これらのオイルを与える場合には体内での酸化を防止するためビタミンE(ミックストコフェノール)を加えると良いようです。

何を与える?

ドライフードでは補えない栄養を補充するために、あるいはドライフードに頼らず完全手作りにしたい場合、どんなものをどのように与えたら良いかを「生食」の理論をベースにご紹介します。

肉類

生食の火付け役となったオーストラリアのビリングハースト獣医師は鶏肉(手羽やもも肉)や羊肉(スペアリブなど)、そして牛肉を骨付きの生で与えることを推奨しています。従来特に鶏の骨などは鋭く割れて危険なため犬に与えてはいけないとされてきましたが、生で有ればそういう危険はなく、また加熱することで破壊される栄養素がないので栄養バランスの良い食材になるそうです。ただし豚肉に関しては寄生虫感染症の危険があるので生で与えてはいけません。また特定の肉類にアレルギー反応を持つ犬の場合にはそれ以外の肉を与えるべきでしょう。

さらに生の骨を与えることでミネラルバランスが保たれると同時に、歯や歯茎を丈夫にし、歯石の無いきれいな状態に保つことが出来ます。

臓物類にはビタミンとミネラルが豊富ですが、与え過ぎも良くない結果を引き起こすので、適量を週に一度程度が良いとされています。また臓物類を与えるときは極力オーガニックで新鮮な素材を選びます。

鶏卵と乳製品

卵は必須アミノ酸を含んだ良質な蛋白源です。さらにビタミン類と豊富なミネラルを含んでいます。ただし生の卵白を大量に与えた場合ある種の欠乏症を引き起こすこと、そして茹でて与えた場合は、栄養素が破壊され消化も悪くなることから、通常は生の卵黄のみを与えることが好ましいとされています。

乳製品としては成犬の場合あまり分解酵素を持たなくなっているので、ミルクを与えることは好ましくありません。特に殺菌処理された牛乳は消化を助ける善玉菌も破壊されているため下痢やアレルギーを起こす場合もあり、注意が必要です。チーズやヨーグルトは牛乳よりも多く含まれるビタミン類もありお勧めです。

野菜

本来肉食性である犬に野菜は不要である印象がありますが、実際には獲物の内臓から摂取するなどにより微量の必須栄養素を得ているのでちゃんと与える必要があります。
ただし小腸が非常に短いため、すりおろすか細かく刻んで与えなければなりません。野菜もまた犬本来の食生活に加熱調理した食物は存在しないという考え方によれば、熱を加えることで破壊される栄養素が多いため生で与えることが推奨されています。
野菜はそれぞれに特徴があり薬効に近い効能を有する場合も多いので、愛犬のコンディションに合わせて与えるバランスを考えるといいようです。
キャベツを茹でて与える人は多いですが、腸内にガスを発生させるため消化器官の負担になりますのでこれも細かく刻んで生で与えましょう。

ゴボウは繊維質が多く栄養過剰物を体外に出す働きをします。
オクラはカルシウムが多く、アスパラガスはカロチンやビタミンCが豊富です、ブロッコリーやニンジンもそれぞれに豊富なミネラルを含み体を浄化する作用があります。
セロリは貧血防止に効果があり、モヤシはナトリウムが少ないため心臓に問題がある犬にも適しています。ジャガイモ、トマト、ピーマン 、そしてナスは栄養が豊富ですが必ず火を通すべき野菜です。また関節炎などの炎症や寄生虫感染病、呼吸器障害などがある場合は与えるべきではないとされています。ほうれん草もシュウ酸が多いので与えすぎに注意が必要です。

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